2021/01/09
明けましておめでとうございます。なんとか今年中にコロナ禍を抜け出せますように。
他県ではありますが、眼科医院でもクラスターが起こってしまったのを機に、当院でも感染対策を再度見直しています。
待合室は密にならないように、車待機をお願いすることもあるかと思います。できるだけ待ち時間を短くするよう心掛けていますが、検査員と距離が近くなりやすい視力検査などは、時間を限ったり、検査員がフェイスシールドを着用することをご了承ください。換気が悪い暗室検査などは、空気清浄機を流出タイプと吸入タイプと2台用意して、強制的に空気の流れを作り、換気ができるように工夫しています。可能であれば、3人以上の家族受診は、どうしても密になる原因となるので、分散していただけるとありがたいです。当院でもどうしても待ち時間が長くなっている原因のナンバー1は兄弟受診、親子受診で、これに眼鏡処方が加わると、検査時間を1時間をあっという間に超えてしまいます。鹿児島は持ちこたえていますが、大都市や隣県の感染者が増えてきている状況ですので、人の行き来がある以上、行き来をする人は自分の行動に責任をもって欲しいと思います。
医療崩壊が近いから、指定を2類から5類にしろとか、クラスター追跡をやめろとかいう意見もあるようですが、たぶん指定を落とした時点で、感染爆発が起きて重症者は激増します。無症状者が濃厚接触者と言われたり、自宅静養を強いられたりという負担は減るのでしょうが、こういう人が野放しになると当然感染者の分母は増えますので、重症者もそれに比例して増えます。重症者の対応ベッドが増えるわけではないので、その場合、もし、症状が悪くなったら治療してもらえないことを覚悟しないといけなくなります。なによりまず日本にはまだワクチンも治療薬もありません。軽症者の重症化を防ぐ、薬が使えるようになれば、この議論には賛成です。保健所の方々の地道な追跡作業のおかげで、鹿児島も感染者数は増えてはいますが、ほとんど原因が追跡できています。都市部ではこの機能が崩壊しているので、この2類という縛りはすでに足かせにしかなっていないのもわかりますが、少なくても地方では機能しているので、それを全国でやれというのは乱暴な意見だと私は思っています。
日本では欧米と違って命の選別は行われていません。高齢者に対して人工呼吸器をつけないとか、回復の見込みがなくなったら人工呼吸器を外すなどです。欧米で死者数が多いことと、重症者ベッドがまだ回っている理由にもなっていると思います。尊厳死の議論も進まない国なのでそこを今頃言っても仕方がないのですが、選別をしないとしている以上は、皆が重症者を増やさないという意識で行動すべきだと思いますね。
2類が5類になったら治療費も通常の一部負担になるので、おそらく症状があっても受診しない人が急増するでしょうし、濃厚接触者になりたくないという自制心がどうにか感染拡大を防ぐ効果もあったでしょうから、感染者増加に歯止めがかからなくなります。
飲食店も大変な中、こうなったのは利用者の責任もあると思います。この1年で飛沫を広げない会食のルールを確立できなかった。国会議員が自ら手本を示さなければならないものを、結局緊急事態宣言の期間ですら、会食自粛を宣言できなかった。それで国民が一致団結できるとお思いか?当院は昨年は忘年会は中止、各スタッフにもつ鍋のお取り寄せと、クリスマスケーキを贈って、家族で過ごしてもらいました。
月末の京都の学会も、初めての全国学会での講演ということで頑張って準備しておりましたが、おそらくリモート開催となるでしょう。先日スライドにナレーションをいれて提出しました。それでも全体の収録とかの準備もあるので、予定通り休診とさせていただきますが、県外移動をしなくてよくなった安心感と、ちゃんと現地で発表できなかった残念感と半々です。
最後に、感染者や濃厚接触者、施設を非難しても現実はかわりません。非難ではなく教訓としてください。非難しておいて自分も同じようなことをしないよう。