2020/12/08
いまいち新しいホームページでの操作に慣れず、ブログが滞りがちです。
先日までNGUINITYという装置の臨床試用の依頼があり、使用しておりました。 顕微鏡を直接覗くのではなく、カメラで撮った映像を3D映像にして大画面に映して、それを3D眼鏡をかけて立体的に見ながら手術を行うという装置です。 何がメリットかというと、コンピューターで画像処理を行いますので、患者さんにあてる光量を減らした状態で手術ができることと、術者が自由な姿勢で手術ができるということが挙げられています。 技術的にはここまで来たかという感じですが、元々の顕微鏡にも良さがあり、どちらが良いとは言い切れません。腹腔鏡手術はこの方向になっていくでしょうね。 どちらかを患者さんにあわせて選択しながら使用するというのがいちばん良い気がしますが、その辺の互換性はまだ無いらしく、導入までには至りませんでした。 どうにか鹿児島初導入を当院でというメーカーの意気込みは感じておりましたが、こればかりはどうにも。 いくらうちの手術室が広いと言っても、機械のサイズもかなり大きかったので。しかも当院の特徴である顕微鏡2刀流(院長は勝手にTwo Sword Styleと名付けていますが)をしようと思うと2台も導入しないといけなくなるとのことで、さすがにそれは資金もスペースも無理と。 裸眼3Dになったり、コンパクト化されたり、うちの2刀流にも対応できるようになれば、またその時は考えるかもしれません。まずは2刀流を極めたいですね。ネーミングはもちろん院長と同じ名字の偉人からとりました。昔剣道少年だったので。
その顕微鏡2刀流ですが、全国的にも行われている施設がないのもあり、来年の1月の第44回日本眼科手術学会の一般演題に採択されました。シンポジウム講演とかけもちです。しかも同じ日になってしまったので、移動や準備をどうしようか頭を悩ませています。
そもそもなんで2刀流かを説明していませんね。非常時のバックアップの意味合いもありますが、一番は白内障用と硝子体用の役割分担です。顕微鏡は装備をつければつけるほどよくなるわけではなく、重くなったり、ポジションが変わってしまったり、一番は装備に光量がとられて逆に見えにくくなったりということがあります。当院のウリであるVerifEye-Lynkは、従来硝子体用の特殊装置がついている顕微鏡には装備できないのですが、2刀流にすることでそれを実現し、硝子体手術だろうが、緑内障手術だろうが白内障(特に乱視矯正)にもこだわるという理念をもって取り組んでおります。そして役割分担することで2台の顕微鏡のそれぞれの性能を最大限に発揮してもらうというのが狙いです。昨年の改装から導入して約1年経って、明らかに裸眼視力の成績はよくなり、裸眼で免許更新をしたいという要望も乱視だけの問題なら、かなり自信をもって応えられるようになりました。 この10年の総決算と思ってしっかり発表に向けて準備をしていきたいと思います。
おそらく年末年始はstay homeで準備に励みます。